Twitterで衣服標本家の長谷川彰良さんをフォローし、刺激を受けている。
100年前の衣服を半分分解し、型紙に起こして再現・魅力を伝える活動をしている方だ。
衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) | Twitter
1892年イギリス
ヴィクトリアン時代の女性たちの羽織りもの「ヴィジット」を縫いました
この衣服は19世紀末の数十年のみ流行り、廃れました
羽織りとジャケットが混ざった構造に「和服」のテイストが取り入れられています
恐らく万博の影響を受けて生まれたのでしょう
複雑怪奇な構造は、必見です pic.twitter.com/oTKOhmx3Hg — 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) 2021年2月1日
フォローするきっかけになったのはこちらのツイート。「ヴィジット」ってなんて優雅で美しいのだろう……。
さて。私も長年愛用したスカートを分解すれば、簡単に型紙が取れるのではないかと考えた。
このスカートだ。
リサイクルショップで購入したノーブランドのスカートだが、着心地もいいし形も気に入って10年くらい着ていたかな。スカートと言ったらこれしか穿かない!というぐらい私にはしっくりきて、こればかり穿いていた。
裏起毛のスウェット地で軽くて暖かい。
真冬にタイツの上に穿いて愛用していたのだが、私もアラフォーになり、丈の短さが気になるように……。
測ってみると46cmしかない。あと4〜5cmは伸ばしたい!
そこで型紙を取ることにした。
ほどくのが大変だった
ベビーロックの動画を見ながら試みた。
私のやり方が悪いのか、この動画のようにスルスルとはほどけなかった。
数分格闘した後、あきらめて、布の間にそーっとはさみを入れ、丁寧に切って少しずつ広げほどいていくことにした。
別に、全部のパーツをバラす必要はない。要所要所でほどいてまさに「半分解」の状態、これで十分だ。
ベルト布をはずし、ポケットを半分ほどき、タックをほどいて、後は脇の縫い目を1か所ほどいた。
ベルト布は解体してみると、中には広幅の織ゴムを入れ、縫い閉じてあった。最初はまっすぐになっていたのだろうか、中で二つに折れ曲がっている。
へ〜〜。こんなふうになっていたのか。
スカートのパーツ
- 前スカート(タックがある分、後ろスカートより大きい)
- 後ろスカート
- ベルト布 9×87cm
- 3cm幅の織ゴム 約66cm
- ポケット布・左右で計4枚
スカートを型紙に写す手順《例》
- パーツをハトロン紙の上におき、シャープペンで大体の輪郭を取った。
- 4〜5cm丈を伸ばす。
- 中心で二つ折にして折り目をつける。
- 片面の輪郭をなめらかに整える。(スカートの型紙は片面だけでも別に構わない。)
- ロックミシンで縫ってあった部分は、5mm内側をできあがり線として書きなおす。※
- 前後のスカートが脇のところでつながるよう、丈を調整する。
- ぬいしろをつける。(私の付け方は1.5cm、裾で3cm)
- 片面ができあがったら、中心で二つ折りにして一遍に切り抜く。
- 片方の線を透かし見て、反対側に写し取ると両面の型紙ができる。
※注:ゴムのスカートなので、できあがり線はそこまで神経質にならなくても良さそうだが、一応おこなった。
感想
なにげなく穿いていたスカートの構造をなぞってみて、初めて理解した。
前にはタックがあるので、後ろスカートより幅が広い。
前は裾を絞ったタイトな形で、裾は前下がりのカーブを描く。
一方、後ろスカートは裾広がりの台形っぽい形で裾線はまっすぐだ。
両方のスカートの一番長い部分を比べると1.5cmぐらい差がある。前スカートの方が丈が長いわけだ。脇のところで同じ長さになっている。
この構造を理解しないと型紙を起こすときにおかしくなる。
ポケットの縁と、ベルト布、タックの上部に直線ミシンをかけてあり、その他は全てロックミシンとオーバーロックで縫い合わせている。
すごく丈夫に縫ってあり、数箇所糸を切ったぐらいではびくともしないので、ほどくのが大変だった。10数分もはさみを握っていて、手が痛くなった。
既製服ってよくできてるんだな、ありがたいな、と感じた。
不安な点としては、タイトスカートなのに膝まで丈を伸ばしてしまい、動きを制限しないかどうか。そのときはサイドに10cmぐらいスリットを入れればいいだろうと考えた。
この型紙を使用し、家庭用ミシンで伸びる生地を縫ってみた。詳細は次回!
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