リバティプリントを手縫いして、ワンピースを作った。
この生地は、数年前母がイギリス旅行に行った際にお土産にリクエストしたリバティプリントだ。
裁縫の技術には不安があるものの、30代で着たいと思った柄は30代のうちに着るべしと思い、思い切って仕立てることにした。
型紙
『ソーイングナチュリラvol.4』より、Aラインワンピース。
このシリーズは初心者でも楽に作れることを売りにしており、かぶりで着られてファスナー付けが要らない形だ。
苦手のAラインでも、こんなふうにあまり広がらない形なら違和感なく着られそう。
しなやかな生地を選ぶと、より縦感が強調されIラインに近い形になる。タナローンだと、こんな感じ。
私は胸囲を測り、ジャストサイズで仕立てた。
着丈は90cmに詰めた。ぬいしろを多めに残し、少しだけ伸ばせるように仕上げた。
生地
リバティプリントの《ペッパー》柄。グレーの濃淡に淡いピンクが混じっている。
遠くから見ると砂嵐みたい。近くで見るとエアブラシでしぶきを散らしたみたいな柄だ。
織り方はブロードだろうか。ローンと比べると硬くてハリがある生地だ。
用尺
- S〜L 110cm幅×220cm
- LL・3L 110cm幅×260cm
着丈は5サイズ共通で99cm。→私は91cmまで詰めた。
糸と副資材
- スパン手縫い糸(生成)
- 接着芯 ダンレーヌR111
- 伸び止めテープ・ハーフバイアス
- バイアステープ
今回初めて布の接着芯を使用した。
薄くてサラサラした質感はまるで天女の羽衣のよう。不織布と違って扱いにくいので、大きめにカットして生地に貼ってから裁断した。
ジャストサイズだと、袖が通らない!?
あまりにもジャストサイズで仕立てたため体が通るか心配になり、脇を仮縫いして試着したら、案の定きつくて片方の肩が通らなかった。
これは……初のコンシールファスナーを付けなきゃならないのか!?
実家の母に電話で相談した。
母:「コンシールファスナーなんか、初めて付けるなら難しいからやめた方がいいよ。私だって、未だにコンシール付けて納得できる仕上がりになったことは一度もない。脇に菱形のマチを付けてみたら?」
図を描いて教えてくれた。
母:「縦が6cm、横幅が4cmぐらいで仮に付けてみて、試着して通らなければ、少し大きくするといいよ」
私:「えっ、こんな小さいのを付けるだけで袖が通るようになるの!?」
母:「なると思うよ」
教えられた通りにやってみたら、見事に通った!!
すごい!!お母さんの知恵袋。
正式には「袖下マチ」「ひしマチ」と言うらしい。
アウトドア用パンツの股ぐりにも付いているものがある。母は、手持ちのパンツがきつくてしゃがみづらいとき、ポケットをほどいて「マチ」を付けたらしい。この場合は菱形というより、丸みを帯びたレモンのような形だ。
今回は縦が6cm、横幅が4cmで十分だったが、ぬいしろの始末で失敗してグチャグチャになってしまい、結局少し大きめに直して付けた。
裏はこうだ。ぬいしろがいい加減なので、ほつれてくるようならバイアステープで止めつけるつもり。
個人的にはコンシールファスナーも、後ろのドロップあきも好きではないので、この方法でかぶりで着られるなら簡単で良いと思う。
難しかった点: 見返しの処理
生地が硬く、見返しのカーブをきれいに裏返すのが難しかった。ここの処理は柔らかい生地の方が簡単にできると思う。
見返しの端は裁ちっぱなしにした。リバティは元々ほつれにくいと言われ、しかも接着芯を付けたのでなおほつれにくいだろう。
感想
こんなシンプルなワンピースが、私には新鮮だった。
Sサイズの型紙で胸囲はジャストサイズだけど、肩が少し小さいかな〜。
実際着てみて、ブロードの特性を理解した。ハリがあって形を美しく保ちながら、体の丸みにほどよく寄り添い、落ち感を作るだけのしなやかさも兼ね備えている。硬い分だけ耐久性もあるのだろう。
着ていると、さらさらで抜群に気持ちいい!
初心者のくせに、いきなり高級素材で作ってしまった……。次はレーヨンなどのとろみがある生地で、気に入るものが入手できたら作りたい。
異素材を使用し、ウエストで切り替えるのもおもしろそうだ。元の本に、同じデザインのアレンジバージョンがいろいろ紹介されている。
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