手縫いで洋服を作るための初歩知識とコツ

まとめ
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趣味のソーイングにハマっている。
ミシンがなくても未経験でも、手縫いだけで洋服を作ることは可能だ。簡単なものなら数時間ずつ作業して2〜3日でできる。

この記事では、私が何枚か縫って学んだコツ、「もっと早く知りたかった」と思う知識を紹介したい。

1. 初歩知識

針先が大事

くり返し使用した針は針先が鈍るので、適宜新しいものを使った方が縫いやすい。

薄い布には細い針、厚い布には太い針を使用する。針は指に合った長さで短い方が移動距離が短く、楽に縫える。

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売り場にたくさんあって、わからないときは「メリケン針」と書いてあるのが基本的に洋裁用だ。(ほかは和裁用が多い。)

糸は手縫い糸を使う

ミシン糸と手縫い糸では糸をよる方向が逆になっている。このことを知らずにミシン糸で手縫いしようとしたら、布目を通るたびに糸がよじれてイライラした。

右利きの人は手縫い糸を、左利きの人はミシン糸を使用するのがおすすめ。

私が使用しているのは次のような糸だ。

  • 手縫い糸……フジックス・シャッペスパン手縫糸(生地の厚みに関わらず、大抵のものはこれでOK)
  • ボタン穴……フジックス・タイヤー絹穴糸(糸が太く、滑りがよい。ボタンホールだけは専用の糸を使った方がいい)
  • ボタン付け……ダルマ家庭糸(銘柄にこだわらず、丈夫な糸ならなんでもOK)

糸を買いに行くときは端切れを持っていき、色を合わせるのを忘れずに。

糸は長く取りすぎると絡まりやすく、失敗のもとになる。目安として40〜50cmずつカットして使うのがよい。

大抵のものは100円ショップで買える

針、糸を含めて、様々な手芸用品がほとんど100円ショップでまかなえる。

私はスレッダー(糸通し)、ライクラの織ゴム、バイアステープなどの消耗品を調達するときに便利に使っている。

基本の縫い方

なみぬいだけで、ほとんどのものが縫える。

ぬいしろの始末は「折りふせぬい」が簡単だ。これは、なみぬいを2本かけるだけ。場合によっては「まつりぬい」の方が都合がいいときもあるが、基本は全てなみぬいで縫える。

折りふせぬいのやり方ぬいしろの始末(見えるとこ・折り伏せ縫い&袋縫い編) | nunocoto

初心者が縫いやすい服

初心者におすすめなのは、パジャマやウエストゴムのスカート・パンツ、かぶりのブラウスなど。
襟やポケット、ファスナー、ボタンなど、なにか「パーツ」を追加するごとに難しくなる。

プルオーバーのブラウス

生地選び

ハリのあるコットンやリネンが最も縫いやすい。
ガーゼや薄手の生地はやや扱いにくく、初心者向きではない。ニットなど伸びのあるものは上級編。

通販を利用する場合、色見本を取り寄せるのもよいが、私の経験では、小さい面積で見るのと洋服のような広い面積で見るのとでは色の印象が違うことがある。
できるだけ売り場に足を運んで、見て、触って選ぶ方が失敗が少なく、結局は時間を節約できる。

何を作るか(ブラウスか、ワンピースか)に合わせて、どんな生地が好みに合い、縫いやすいのか下調べした上で買いに行くのがおすすめだ。

初心者におすすめの素材
  • ブロード、ポプリン……緻密に織られた平織物。ポリエステル(テトロン)が入っているとシワになりにくい。軽やかでシャツ、ブラウスや夏のワンピースに向いている。
  • オックスフォード……「ななこ織」といって織り方に特徴がある。中厚の中ではやや厚みがあり、長袖シャツに向いている。
  • 中厚のリネン……縫いやすい。シワになりやすく、ナチュラルなスタイルに向いている。ブラウス、ワンピース、スカートなど万能に使える。

型紙の種類

大きな紙1枚に印刷されたタイプを買うのが一番簡単だ。
最初からぬいしろが印刷されたものもある。
手芸店やインターネットの型紙専門店で購入できる。好みに合う形が見つかれば、このタイプの型紙を利用するのが初心者にはおすすめだ。
リックラックファブファブリックなど)

それに比べると、洋裁本に付属している型紙は複数のサイズが印刷された中から薄紙に写しとるのでまちがいやすいし、手間がかかる。
フリクションマーカーなどで写したい部分に色をつけ、あとでアイロンを掛けて消すと時間を節約できる。

A4サイズに印刷されたものを切り貼りするタイプはめんどくさい。テープのりやスティックのりを使用し、型紙が波打たないように微妙なズレが出ないようにと神経を使い、作る前から疲れてしまう。

ぬいしろの付け方

手縫いでは、ぬいしろを多めに取るのがおすすめだ。私はいつも1.5cm取っている。

クロバーの方眼定規は片側1.5cmにグリーンの色が付いており、ぬいしろを付ける際に便利だ。製図用は50cmをすすめる人が多いが、長いと取りまわしにくい。私としては30cmがおすすめだ。

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スカートの裾など折り上げる部分は仕様通りでよい。(3〜4cmと書いてあることが多い。)

同じ型紙で何枚も縫うつもりなら、型紙にぬいしろを付けた方が2回目以降ラクできる。
そうでなければ、ぬいしろなしで生地に直接ぬいしろを書いても手間は同じだ。

柄合わせ

柄を選ぶとき、初心者は小さい柄やランダムな柄、水玉など「柄合わせ」が必要ない柄を選ぶとよい。
チェックやストライプは柄がズレていると目立つので、要注意だ。こういう柄は「柄合わせ」した方がいい。

「無地は粗が目立つから、かえって技術が要る」と母から教えられた。

柄合わせの方法は、こちらの記事を参考にした。

柄合わせの方法-mametto-by nutte | mametto(マメット)

柄合わせ | cherrybonbon洋裁店の『洋裁のススメ』

2. 洋服作りのコツ

全くの未経験でも、洋服は作れる。

私が初めて縫ったのはノースリーブのブラウスだった。次に作ったのがこのブログでも紹介したパジャマパンツ。
2つとも「初心者でもできる」が売りの簡単な型紙を利用した。

最初はお古のシーツを流用し、わからないところは適当にやったりインターネットで調べて、なるべくお金をかけずにやるようにした。
そのうちに少し高度なことをやりたいと思うようになり、基礎的な知識が書かれたテキストを1冊購入した。

手縫いでもミシンでも、縫うべきところは同じだ。
インターネットで調べても同じ内容が無料で載っているし、動画もあるのだが、私は写真で一覧できるのがテキストを購入した。
スナップの付け方一つでも、先人の知恵を借りれば、自分で考えて適当にやるより賢いやり方を学べる。

最初のうちはとにかく、簡単な型紙を選ぶのが「最大のコツ」だ。
1着につき新しいことを学ぶのは1〜2ケぐらいにして、徐々に難易度を上げる方が挫折しにくい。

生地選びも重要だ。初心者でも扱えるかどうかわからなければ、売り場の人に訊くのがいいだろう。

私の母は若い頃洋裁学校に通っていたが、そんな人でもファンシーツイードに挑戦したときは縫えなくて、上級者の友人を質問攻めにして嫌がられたらしい。おかげで私は「ファンシーツイードなんか一生買ったらいけない」と学んだ。
そういう難しい素材こそ、既製服を買うべきだ。

3. ミシンか、手縫いか?

常々「ミシンが欲しい」と思っていたが、スペースの問題もあり、最初は手縫いで服作りを始めた。
実際ミシンを持っている人でも「作業スペースがない」「奥にしまい込んで出すのがめんどくさい」という声をよく聞く。作業スペースが確保できるまでは手縫いで腕を磨くのもいいと思う。

時間をかけて丁寧に縫えば、手縫いで作れないものはない。
高級紳士服のデザイナー、パトリック・グラントも「うちの仕立店では大半が手縫いだ」と話していた。(『ソーイング・ビー』シーズン1、第4話)

追記:2023年現在、職業用ミシン、ロックミシンと2台並べてソーイングを楽しんでいる。
手縫いで時間をかけて作品を作り上げるのも楽しかったが、ミシンはより丈夫に、早く縫える利点がある。

終わりに

私は『暮らしの美学』ことねさんのブログをきっかけにして、洋服を手作りするようになった。

「ソーイング」の記事一覧 | 暮らしの美学

ソーイングブログを運営しているのはハイレベルの人が多く、初心者が「ちょっと真似してみよう」と思える次元をはるかに超えていることが多い。
そんな中で、ことねさんは初心者向けの情報を発信していて参考になった。

私も初心者目線の情報発信を心がけ、仕様書に書いていないことがあればなるべく過程を残しておきたい。
実際、大体の工程は仕様書やパターンブックの解説に丁寧に書いてあり解決できるのだが、その上で困ったことが時々出てくるので、そうしたことを中心に後の自分のためにも記録を残していくつもりだ。

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コメントはこちらから(お気軽にどうぞ)

  1. ありがとうございました。
    服を手作りしたいと思っておりましたが、ほぼ未経験・小さな子どもがおりミシンは厳しい中諦めかけておりました。しかし、手縫い、しかも並縫いでほぼ縫えるとの事で希望が湧いてきました(^-^)

    • てん様
      コメントありがとうございます。
      手縫いはなるべく細かく縫い、力がかかるところは補強する、二重に縫うなど工夫をすれば大丈夫です。
      簡単なものから、ぜひチャレンジしてみてください!

  2. ジョビーさんこんにちは。
    そう、ショッキングなんですよ…
    聞いた瞬間、思考停止しました。
    来月ワクチンを打ちに帰って来るので、気持ち変わっていないか確認しますが😅

    フリルのブラウスはですね、
    楽天のショップの、たけみやさんで生地を買って、ショップレビューに写真を載せました。
    生地がつれて、ちょっと失敗しましたが💦
    たけみやさんの、京都産80ローン シルケット加工、で検索したら見る事が出来ると思います。
    (その次に作った綿麻生地は、まだマシに仕上がりました。写真は載せていませんが。と言い訳😅)

    少し前に、県内で大きめの生地屋さんに初めて行きました。
    生地がたくさんあって、感動しました。材料も全て揃うし、店舗って良いですね。
    自粛生活なので、しばらくは行かずにガマンしますが。本当はもっと行きたい。実物を見て選べる良さ、ネットとは全然違いますね!

    それでは、ジョビーさんの夏シャツがブログにアップされるのを、楽しみに待ってま~す😃

    • うわーーー感激!! 初めて作品を拝見しました。
      モーブグレーのブラウスですね。共布のくるみボタンがいっぱいで、シックで素敵。
      これからの季節にぴったりです。

      この頃、やっと涼しくなって、やる気が戻ってきました。
      夏前に買い込んだ生地が溜まっているので、これからせっせと縫いますね。
      FFさんは次は秋物ですかね☺️

      しばらく間が空きましたが、コメントくださってうれしいです。ありがとうございます。

  3. FF様、なんとなんと、三度目の受験ですか!!
    ショッキングですね。

    フリルのブラウス見たい!! お母様、喜ばれたでしょう。
    私は、放置していた夏のシャツを急いで作っています。
    出来上がったらまたブログに上げますね。

    しばらく厳しい状況が続きそうですが、FFさんもどうぞ体にお気をつけて……。

  4. ジョビーさん、こんばんは。
    フムフム、と読ませて頂きました。

    一針一針丁寧にチクチク縫う作業、したいですねぇ。
    老眼と根気の無さで、大きい物は作れる気がしませんが😅

    私はというと…
    最近はフリルのついた立襟ブラウス作っていました。(母用)
    次はメンズ物のシャツを作る予定です。
    (縫い物とは関係ない話ですが…
    先日帰省した子供が、来年また受験すると言って去って行きました。
    三度目の受験です…😱)

    またブログ、更新されたら拝見させて下さいね😊
    あと…コロナに感染しないよう気をつけてお過ごし下さい。
    私も気をつけます☆

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