祖母が若い頃に着ていたツーピースをゆずり受けた。石垣みたいな抽象柄がド派手で気に入っている。このスカート、私が着るとファスナーが途中までしか上がらない。
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「ジャケットを着ればわからないだろう」と軽い気持ちでもらってきたが……そんな着方では着心地が悪く、1度着たらうんざりするのは目に見えている。
調べてみると、ウエストダーツが2本以上ある場合に、1本ほどくごとに3cmずつ広げることができるという。前後左右で最大12cm幅出しできるというわけだ。
先日、ちょうど似たようなタイトスカートを制作したばかり。勉強のため、自分でお直ししてみることにした。
ウエストを広げるリフォーム《例》
1. ウエストの幅に対してなるべくダーツが均等になるよう、外側のダーツをほどくことにした。
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2. 幅出しするとベルトの長さが足りなくなる。両端のタブの形状を見比べ、まっすぐの方に継ぎ足しすることにした。
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![f:id:giovannna:20201105125549p:plain](https://sewing-giovy.page/wp-content/uploads/2021/04/442EA467-C7F8-41BA-AE63-14A286B52FDA.jpeg)
3. まずベルトをほどく。後で戻さなくてはならないので、どうなっているのかわかるように、写真も撮っておく。
このスカートは、表地と裏地を縫い合わせてベルト芯を縫い付け、上から共布でくるみ、最後に内側を流しまつりにしていた。
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4. 慎重にダーツをほどく。
5. ほどいた部分をアイロンで整え、表地と裏地がずれやすいので接着テープで付けた。(薄手の生地はノリが染み出すのでしない方がいい。)
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6. 元の縫い目に合わせ、本体とベルトを縫い合わせる。
7. ベルトの端をほどき、別布を継ぎ足した。
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8.タブの端を元のように縫ってひっくり返す。
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9. 元の写真を見ながら、同じぐらいの位置にカギホックを付ける。
10. ベルト芯をぬいしろに挟み込み、元の縫い目に合わせずれないように縫い付ける。
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11. 内側を流しまつりで閉じたら、完成!
ビフォー・アフター
直す前
ウエスト62cm
![f:id:giovannna:20201105125601p:plain](https://sewing-giovy.page/wp-content/uploads/2021/04/03FA43B3-A66C-4FAB-87AC-31F39AD0D5FE.jpeg)
直した後
ウエスト74cm
![f:id:giovannna:20201105152014p:plain](https://sewing-giovy.page/wp-content/uploads/2021/04/468D385F-5A97-4CAA-8119-77BD63AE8421.jpeg)
苦労した点・コツ
ほどくのに時間がかかった
まず、ベルトをほどくのに30分。
ダーツを1本ほどくごとに2〜3分。表地・裏地で8本ほどいたら24分。
合計50分あまりを要した。
表地は丈夫でいい生地だが、裏地が繊細なので穴を開けないよう神経を使った。
ダーツの縫い方を見ると、縫いはじめに返し縫い、縫い終わりの少し手前で返して二重三重に縫い、縫い終わりは1重にして糸端を玉結びにしている。非常に丈夫に縫ってあり、ほどくのに時間がかかった。
ベルト芯の扱いに手こずった
ベルト芯(インベル)は、荷造り用の結束バンドみたいな硬い物しか入手できなかった。幅も微妙に合っていない。
アパレル向けと違って、手芸店で購入できるインベルによい物がないというのはこのことだろう。
仕方なく元の芯を生かし、足りない分だけ新しい物を継ぎ足した。
硬さがある分だけ縫いにくく、ずれやすいので手こずった。ミシンを使うなら、しつけを掛けてからするのがいい。
カギホックの縫い付け
ホックの縫い付けは元と同じ方法で行ったが、なにかが違う……?
どうやら、ここは太い糸を使用した方が早くできるし見栄えもいいようだ。
試着した感想
2本ずつのダーツでぎゅっとくびれた形を作っていたのに、1本ほどいたことによってシルエットが変わり、台形に近い形となった。この方が私にはフィットしやすい。
12cmも幅出ししたら少しゆるかったが、ジャストサイズにするためには一度ほどいたダーツを浅めにつまみ、新たに縫い直さなければならない。どうせサイズは変動するだろうしめんどくさいので、これでよしとした。
全部手縫いしたので時間はかかったが、意外と簡単にできた。
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