ボタン付けはそれなりに時間のかかる作業だ。
できるだけ効率化したいが、どの針と糸がいいのか、いざ探してみると情報が少ない。
あれこれ試した結果、現在のところ、私が一番いいと思う方法を紹介する。
糸(20番、30番)

一般的にシャツやブラウスなど薄手の生地には30番、ジャケットやコートなど厚手の生地には20番の糸を使用する。(細い糸しかない場合は2本どりで。)
私のお気に入りは『シルコート』の20番だ。
ポリエステル(テトロン)の丈夫な糸でツヤがあり、劣化に強いところがよい。
例えば、リネンのシャツに4つ穴のボタンを付けるとき。太めの糸で付けると見栄えがよく、穴に通す回数が少なく済む。


薄い生地で繊細な印象にしたいときは、『シルコート』の細口(30番)を使用するか、ミシン糸(60番)の2本どりでもいいだろう。
以前は『ダルマ家庭糸』の細口(30番)を愛用し、ボタン付けによく使った。
綿100パーセントならではマットな質感は好きだが、手で触ると毛羽立ちやすかったり(よほどの長期間使用するのでなければ関係ないが)経年劣化が心配なため、今後、ボタン付け用に糸を買うときは『シルコート』に統一するつもりだ。

ちなみに、ダイヤフェザーの『ボタン付け糸』のセットも使ったことがある。
特殊樹脂加工をした堅牢な糸で、ジャケットやパンツのボタン付けには向いているが、シャツ、ブラウスなどの薄い生地に使うには過剰品質だと思う。

針(メリケン針)
細口(30番)の糸であれば、どんな針でも大抵通りやすく、糸通し器(デスクスレダー)で楽に通せる。
一方、20番糸を使用するなら針穴がそれなりに大きくないと糸が通りにくい。
手持ちの針では「やや厚地用」と書かれたメリケン6号(太さ0.75)が通しやすかった。
クロバーの針なら「やや厚地用」のNo.6、または長No.6がいいだろう。No.6が長さ31.8mm、長No.6が39.4mmと長さが2種類ある。(当たり前だが、手が大きい人は長いほうがいい。)
厚地用を使うならメリケン針のNo.4かNo.5あたりがいいだろう。
「メリケン針」と書いてあるのが洋裁用だ。
糸通しが簡単な「ワンタッチ針」を普段からよく使うが、割れ目に引っかかって糸がほぐれやすい。
ボタン付けには使わないほうがいい。
しつけ糸を使うときも、切れてむだになりやすいため「やや厚地」「厚地」のメリケン針と、糸通し器を併用するのが簡単でおすすめだ。

糸の太さに応じた針を使えば、ワンタッチでサクッと通せて気持ちいいよ!
ボタン付けのコツ
私は糸通し、糸と糸切りはさみ、針を羊毛フェルトのニードルブックに刺したものをひとまとめにして保管している。
道具さえ揃っていれば、ボタン付けはこわくない!

目安として15mmの4つ穴ボタンを付けるのに、穴に4回ずつ糸を通すと、糸の長さは35cmあれば足りる。
ボタンを1つ付けて必要な長さがわかれば、残りのボタンの数だけ全部同じ長さにカットして、あるだけの針に通してから始めると作業が効率化できる。
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