ウールのドレスパンツを作ったpart2〜縫製編〜【パタンナー金子俊雄の本格メンズ服】

パンツ
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ウールのドレスパンツとは、つまり、スーツの下に穿くようなパンツのことだ。

工程は非常に多いが、金子先生の指示は的確でわかりやすく、本の通りに進めていけばきちんとできる。
とは言え、途中迷ったところや、理解しにくかったところ、粗忽ゆえの凡ミスも多々あった。

この記事では私が引っかかった点について記録し、次回の参考にしたい。

くせとり

アイロンでくせづけをする「くせとり」はわからないなりに本を見ながら実施した。
こういう動画を見ながらやればよかったな。

「膝裏」をつける

型紙の仕様では、「膝裏」と言って前パンツにだけ裏地を付けるようになっている。

サマーウールはやや透け感があるため、前後に裏地を付けて「半裏」にしたかったがやり方がわからない。
今回は仕様書通り、表だけにした。

パンツの裏地つけは『誌上パターン塾vol.3 パンツ編』の付録で紹介されているが、あまり詳細な解説ではない。本体と同じ型紙でダーツを入れ、縫い目のところでゆとりを入れて、ウエストベルトのしたにまつりつければいいみたいだ。そんなに簡単にできるのかな……?

(端かがり)

水色=端かがりの指示があった部分

端かがりは最初にまとめて済ませておいた方がラクだ。

特に、裾を「輪」にした後でぐるっと一周端かがりをするのは難しく、手こずった。
パンツ丈(股下)は自分の寸法ぎりぎりに合わせて裾の端かがりまで済ませた後縫い合わせ、ぬいしろを増やしたり減らしたりして丈を調整する方がラクだと思う。基本のぬいしろは7cmになっているが1cmぐらいの増減なら影響ないだろう。

また、本の指示とは異なるが、裾の内側につける「靴ずれ」の両端を手でかがるのは難しい。ここはミシンで下がった方がきれいにできてほつれないように思う。

後ろポケットをつける

ダーツを何度もやり直したら「糸引き」しそうになり焦った。(ダーツの先を標準より少し細かくしたので、そこが厄介だった。)
あとは非常に縫いやすく、ほどきやすい生地だった。
サマーウールの中でも「トロピカル」は初心者におすすめだ。

ダーツを縫ってから接着芯を貼るのは難題だった。下手に貼るとダーツがつぶれて台なしになる。

丸まんじゅうの上に当て布をして、裏から数秒「仮止め」する


ダーツの外・中・内側の3段階で軽くアイロン接着

表から20秒間lキープして、丁寧に仕上げる


のように段階を踏んで行うのがよいと思う。

ポケット口の上下にそれぞれ口布をあてつつ、等間隔に縫って玉縁を作るのが難しかった。

玉縁の幅がせますぎる→角が丸い

玉縁の間隔が狭すぎると、きれいに長方形の角が出せない(と思う)。

工程8は何度縫い直しても玉縁の際ではなく「上」を縫ってしまうので、ほどいて手縫いで処理した。
手縫いするときは、ウールのふんわり感を保って糸を引きしめすぎないのがコツだ。

玉縁の工程写真を何度見直しても理解できないが、この通りに進めればちゃんとできるので感動した。

脇ポケット

脇ポケットは余計なぬいしろを付けたまま縫ってしまい、あとから切り落とすのがめんどくさかった。
この本は工程が複雑なので、ぬいしろを多めにつけたりしない方がいい。

工程通りに進めれば、ちゃんと袋ぬいになって仕上がる。難しい袋ぬいがいとも簡単に説明されていることに感動した。

工程3の脇のステッチは緊張した。
ほんのわずか生地がつれて斜めに線が入ってしまったが、許容範囲か。

ここのステッチが狭いと、工程6の「コの字」ステッチができなくなる。

私はできなかったので「L字」で処理した。

前あきを縫う

タブなんか要るか〜?と思ったけど、ウエストがきつめのため、あった方が内側で押さえがきき、安心できるとわかった。逆にウエストがゆるい場合も押さえになってくれる。「縁の下の力持ち」だ。

ファスナー付けは特に寸法が狂ってはいけないところだ。ぬいしろを多めにつけたりしない方がいい。

脇を縫う

前パンツと後ろパンツを縫い合わせるときに、前は裏地でしるしが隠れているため、後ろから縫った。
このとき、裏地の裾には多めにまち針を打って押さえた方がいい。私はここの押さえが甘く、見えないところで裾がめくれたまま縫ってしまう失敗を二度も犯した。

裏地がめくれたまま縫ってしまった

ループをつくる

ループには苦手意識が強かったが、幅が8mmと太いため、思ったほど難しくなかった。

買ってよかった、ループ返し。長いのと短いの、2種類あるのには意味がある。

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何度か縫い直すうちにぬいしろがほつれてグシャグシャになり、ループをバイアスで取る意味を初めて理解した。バイアスはほつれにくく始末が容易だが、縦横はほつれやすい。そういうことだろう。

ベルトをつける

紳士用スラックスのベルトは、元々生地を節約するために左右を縫い合わせる仕様だ。それに加えて金子先生のパターンでは、最後の方に股上を縫うときにいっしょにベルトの中心も縫い合わせて、ウエスト幅を調整できるようになっている。
私は今回、裁断の都合でベルトを1本裁ちにしたため、縫製の順序を変えた。先に股上(お尻)の部分を縫い合わせてからベルトをつけた。

今回はベルト芯、マーベルト共に紳士服テーラーが使うのと同じ資材を用意したため、硬くしなやかないいベルトができた。特に、ベルト芯は市販のものではなく専用のものを用意した方がいい。
ただし、夏物ならマーベルトは省略した方が涼しく着られそうだ。代用方法はp23で説明されている。

ベルトの折り目はしつけを掛けただけで、なにも縫われていない仕様だ。
ここ、縫わなくていいの!?

工程6のループつけは少し迷った。まずベルトに縫い止め、次に縫い目から反対方向に折り返して、内側を縫うようになっている。
要はループをジグザグに折り返して二回縫うのだが、二回目はループをよけて縫わなければならないのと、厚いところを縫うので家庭用ミシンの貫通力に不安を感じ、手縫いで仕上げた。

股下を縫う

裏地の裾の部分に多めにまち針をつけて押さえておいた方がいい。(二回目)

股上を縫う

カーブを縫うのが不得意のため、服部晋先生のやり方にならって手縫いで縫い合わせた。縫い方は縫い目が伸縮する「本返しぬい」。ミシン糸より太めの糸を選択して強度を上げるのがポイントだ。
縫い目が割れない程度に、なるべく細かく縫った方がよい。

前あきを仕上げる

ウエストを3cm以上広げたため、ベルトの長さが少しだけ足りなくなった。内側で別布を継ぎ足して処理した。

股間は持ち出しの端を内側のぬいしろに「星止め」することで、補強を兼ねていることがわかった。賢い!

工程9のかんぬき止めは理解できたが、その後のあき止まりから4cmのところで縫い止めるのは理解できず、パスした。

ここがうまくいかなかったのは、寸法が狂っていたから?→次回、要検証。

靴ずれをつける

試着するとぬいしろが多すぎるため、7cmに切りそろえてから始末しようとしたが、ここでロックミシンの扱いをまちがえて余計なところを切ってしまった。

大ショック!
輪を始末するときは縫い始めの空輪を切り落とした時点で、即、メスをロックするべきだ。

深く切り込みが入ってしまい、ここを切り落とすとぬいしろが足りなくなるため、切り込みの上から接着芯を貼ってカバーした。

ウールの裾上げは、ぬいしろを多めに取り、アイロンをきっちり掛けてからしないと角が突っ張ってしまって美しくない。(スカートなら4〜5cm、パンツなら7cm)

凝りもせず、また同じ失敗をして何度もやり直した。

コツとしては霧吹きでよく湿らせ、中温でしっかり押さえれば、きっちり折り目をつけることができる。

前カンとボタンをつける

特筆すべきことなし。

完成

  • 生地: 長門商店 トロピカル(サマーウール)140cm幅×2m
  • 材料費: 合計5,962円
  • 型紙: 『パタンナー金子俊雄の本格メンズ服』より
  • 製作日数: 14日(試作は含まず)
  • 完成: 2022年1月9日

こうして記事としてまとめてみると、あちこち手こずり、学ぶところの多い作品だった。
その分、おもしろかった!

今まで作った中で、まちがいなく最高難易度だろう。
ジャケットなんかはさらに難しそう。この本の他の型紙に挑戦する前に『オールシーズンのメンズ服』で経験を積んでからの方がいいかも?

前回の記事にも書いたが、生地選びをまちがえると苦労しそうだ。
初級者や家庭用ミシンしか持っていない人はなるべく薄手の生地を選ぶのがおすすめ。普通〜厚地を選ぶなら、職業用&ロックミシンでないと歯が立たないだろう。

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