tokiさんのアロハシャツを作った【オールシーズンのメンズ服】金子俊雄

2024年7月に作ったアロハシャツをきっかけに、友人（tokiさん）のアロハシャツを作らせてもらうことになった。

リバティプリントでアロハシャツ【すてきにハンドメイド2024年7月号】

久しぶりに『すてきにハンドメイド』のテキストを買った。目当てはアロハシャツの型紙だ。 着物地から作られた洋輔さんのアロハが素敵！ アロハシャツのルーツは着物にある。明治初頭からハワイに労働者として移住した日本人たちが、着物やゆかたをほどいて...

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2024.07.15

オンラインのやり取りで本人に採寸してもらい、メンズのシャツを作る初めての試みだ。

ヒアリング

まずはtokiさんから、好きな色、着たいイメージ（普段着か、おしゃれ着か）を教えてもらい、「おしゃれ着」のリクエストだったので現在入手可能なリバティプリントの中から10パターンを提案した。

花柄、ひまわりの柄、幾何学模様やボタニカルなど。

選ばれたのは、スモールスザンナのマルチカラー、パープル。
先に作った作品の色違いの生地だ。
第一印象で「これ、tokiさんに似合いそう！」と感じ、先入観を与えないために後ろのほうに混ぜ込んでおいた柄だ。

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私自身、この柄が好きで何度も使用しているのと、やはり最初に見たインパクトが強烈だったんだと思う。（柄としてはいいものをたくさん提案したつもりだが、洋服の形に仕立ててあるもののほうがイメージ喚起力が強いのは当然だ）

生地が決まった後で「ゴチャゴチャした柄だから、えりに色を差して印象を引き締めるといいかも」「そうしましょう」と、とんとん拍子に話がまとまった。

リモート採寸

tokiさんには、8箇所測ってもらった。

胸囲と肩幅は測るのが難しかったようだ。
丸みのある体を測るより、シャツを平置きして片面を測るほうがよほど測りやすい。
手持ちのシャツの幅を追加で測ってもらい、数字の整合性をとった。

ジョビー

リモート採寸なんて、だれでもできると思ったら大間違い！

おしゃれに関心があり、何事にも前向きで、きっちりした性格のtokiさんだから、依頼できた。
そうじゃなければ「ユニクロ・無印ならどのサイズですか？」と聞いて類推するほうが相手に負担をかけないやり方だと思う。

型紙・仮縫い

『オールシーズンのメンズ服』の型紙を元に、体型に合わせてサイズ調整を行った。
袖の片方は型紙通り、片方は最近の流行に合わせて長くした袖、2種類を付けた。

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仮縫いを郵送して着てもらったところ、「ちょっと肩がきつい感じが……」

正面からの写真を送ってもらうと、肩の縫い目はジャストのようだった。
「本番の生地は薄いので、今よりゆったり感じると思います。どのみち、伸びのない生地で作りますのでTシャツほど伸びることはなく、肩は水平ぐらいまで上がれば十分と考えてください。念のために、少しだけゆとりを追加しますね」と説明した。

縫製

肩は型紙より外側を縫って5〜6mm広げた。

袖は長いほうを採用。（長いのが好きで、巻き上げて着ることも多いそう）

えりは手持ちのブロード、ローンをとり混ぜて3種類試作し、ピンで留めた写真を見せて、本人に選んでもらった。

tokiさん（男性）が選んだのはライムイエロー。ご陽気なシャツになりそうだ！

全体のステッチは地の色に近いクリーム色を使用し、ボタンホールだけライムイエローの差し色にした。着ているときはそんなに目立たないけど、着る人だけが気づくチャームポイントだ。

完成！

こんなに派手でいいの？と私自身、戸惑う仕上がりとなった。

福岡までのレターパックは航空便で翌日には届き、すぐに写真を送ってくださった。
着ている姿を見たら、納得。

「こんなにライムイエローが似合う人、いる！？」と笑った。
ひまわりの柄も思った通り、ばっちりお似合いだ。

男性で、ここまでひまわりの柄を着こなせる人はめずらしいんじゃないかな。
本人も気に入ってくださったようで大成功だ。（リモートでやりとりしているから、微妙な色のニュアンスが伝わっているかどうか、その点が心配だった）

リバティ社のタナローンはプリントが美しいだけではなく、さらさら、ツヤツヤの質感もすばらしく、着心地のいい生地だ。おしゃれなtokiさんにこの着心地をお伝えできて、よかった。

楽しい機会をいただき、tokiさんには感謝している。