先日オープンしたばかりのベビーロックの工房を見学した。すごくおもしろかった。一気にベビーロックのファンになった!
2階スタジオで開催されるロックミシンの講習会は人気だが、日によって空きがあるようだ。
ベビーロックスタジオ 日暮里 : ベビーロックスタジオ←「まなぶ」の項目から検索できる。
コロナ禍のため、受講人数を絞っている現在。講師1人に対して4人の受講生に教えてもらえるなんて逆にいいチャンスでは?と考え、喜び勇んで参加してきた。
参加したコース
- 日時:2021年2月某日
- 講座名:「ロックミシン基礎」
- 対応機種:衣縫人。自分で糸調子を調節するタイプ。
- 料金:5,500円(テキスト・教材費込み)
教材内容
テキストの図解が、オールカラーでわかりやすい。
使用する4本の糸にはそれぞれ別の色を割り振り、どこの糸がどう縫われているのか確認しやすいよう工夫されている。
教材としてカットクロスが十数枚ついており、実際に縫って練習できるところが良かった。
ちなみにロックミシンの場合、まちがえて縫っても縫い直すときは端から切断されるので影響ない。1枚のクロスで数回練習可能という利点がある。
実際に縫ったもの
- 2本針4本ロックで糸調子を変えたもの
- かがり幅を大きくしたり、小さくしたり
- ニット生地の縫い合わせ(普通に縫うと伸びてしまう)
- ニット生地の縫い合わせ(差動を使って「縮み縫い」をすると伸びずに縫える)
- ギャザー寄せ(「縮み縫い」を強くするとギャザーが寄る)
- フレアスカートのギャザー寄せ(いせてからアイロンで落ち着かせると平らになる)
- 袖山のいせこみ(差動レバーを段階的に操作して、いせの分量を調節する)
- 袖口のリブ付け(袖布とリブの間に人差し指を入れ、リブは引っ張り、袖は強く送り入れてふっくら袖付けする)
- 肩にウーリースピンテープを入れる
- セパレート押さえ(2枚の布を縫い合わせつつ、片方のみにギャザーを寄せる)
- 1本針3本糸ロック(伸びのない生地の端始末なら3本ロックでかがり幅を狭く)
- オーガンジーの端に巻きロック(0.7mm幅の細かく美しいかがり)
- オーガンジーの端に変形巻きロック(普通の巻きロックより丸く立体的な仕上がり)
- テグス入れ(巻きロックの中に芯を入れる。ドレスの裾など)
感想
参加する前は「たった2時間半でこれだけ多くの内容を教えるのは無理なのでは?」と思っていた。しかし、そんなことなかった。
短時間で多くの内容を教わり、勉強になった。
先生が1人ずつ回りながらわからないところは教えてくださるので、レバーの位置や押さえの交換方法がわからないときも、手間取ることなく学習できた。
私のように要領が悪い人は動画を見るだけでは理解しにくいので、実地で教えてもらって理解したやり方をメモしておく方が効率がよいと思う。
袖口のリブ付けなんて、初めてやったのに上手に付けられて感動した。
「ウーリースピンテープ」は昨年マスク用ゴムの代用品として大いに出回り、私も持っているが、本来の使い方を初めて理解した。要は、肩などに入れる伸び止めテープである。
普通のテープではストレッチ素材の伸びに付いていかず、つれてしまうので、伸びのあるテープを入れて補強する役割だ。
巻きロックは、ジョーゼットなどの薄い生地を縫うときに使う技術だ。
『ソーイング・ビー』でシルクのネグリジェが出題されたとき(シーズン2、第1回)最優秀作品に選ばれたのが《レタスエッジ》といって、裾を細かくウェーブさせる技法を用いた作品だった。
「レタスエッジはどうやるんですか?」と質問したら、
「バイアスにカットした生地を、巻きロックして手で伸ばしながら縫うと端が波打つのでできると思います」という回答だった。
まさに、講習の中でやったやつだ……!
「素材によってもウェーブの出方が変わります」とのこと。
教材では張りのあるオーガンジーを使い、手で伸ばしてゆるやかなウェーブを作った。
このとき、しなやかなシルクを用いれば細かなレタスエッジができるのだろう。
素朴な疑問:ロックミシンの糸って?
「ロックミシンは4本も糸を使うので糸代がかかって仕方がないのでは?」と、以前から疑問だった。
講師に質問してみると……
「透ける素材でなければ裏は見えないので、大抵は黒と白と2色で対応することが多いようです」
「じゃあ、ジョーゼットとかオーガンジーとか透ける素材だけ色を合わせてあげて、あとは黒と白でいいんですね」
「そうですね。ここにセットしたのは90番の細い糸ですが、60番の普通糸もセットできるので、普通糸で縫ってもいいです。使わない余ってる色とか……」
「あえて90番を使う理由はなんですか?」
「細い糸の方がボリュームを抑え、すっきりした仕上がりになります」
なるほど〜〜。勉強になった!
終わりに
ベビーロックミシン「衣縫人」の使い方は大まかに理解できた。
メスで切り落としながら縫うなんて怖い!と思い込んでいたが、カバーがついており、誤ってメスを触ってしまうこともないし、安全に、簡単に使えるので驚いた。
縫う速度も、家庭用ミシンの「裁ち目かがり」とは比べものにならないほど早く、動作がスムーズだ。
次は自動糸調子の「糸取物語」を使ってみたい。
また、いずれロックミシンを使いこなせるようになったら、今度はカバーステッチミシン(裾上げ専用)の講習会も行ってみたいな〜〜と思っている。
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