職業用ミシンの弱点はボタンホールだ。
本来直線しか縫えないミシンにアタッチメントを付けることで、布をジグザグに動かして縫うのだから無理がある。
私は職業用ミシンを購入する前に3社のミシンをレンタルしたが、ボタンホール機だけは借りることができず、今回初めて穴かがりをした。
想像した以上にめんどくさかった……!
この記事では、職業用ミシンのボタン穴かがりについて紹介する。
ボタンホール機と言えばブラザー
どのメーカーのミシンを選んだとしても、ボタンホール機の中身はブラザーだ。
セットに付いてくる駒の数が変わるぐらいで中身はどれも同じ。
ボタン穴かがり器B-6(TA用)だ。
ベビーロック用は『ベビーロック・コンパニオン』と書かれた銀色のシールが貼られている。つまみにブラザーの「B」のマークがないだけで、本体は外見上ほとんど差がない。

駒のサイズ
ボタン穴は2種類。ネムリとハトメだ。
サイズは自由自在とはいかず、下記から選択するしかない。(ネムリの10mmは購入時に本体にセットされている。)
ネムリ穴10mm、13mm、16mm、18mm、21mm
ハトメ穴16mm、18mm、21mm、24mm
このうち、ベビーロックのボタンホーラーセット(ミシンとは別売)に最初から付いているのは、
ネムリ穴10mm、16mm、21mm
ハトメ穴16mm、24mm
の5種類。
私が使いたいネムリの13mmと18mmはセット外で、使わないであろうハトメが2ケも付いていた。
ボタンホール機はどれを買っても中身は同じなので、バラで購入して欲しい駒だけ自分で選ぶ方が無駄がない。
ボタンホーラーは町のミシン店で取り扱いしている。
私は新宿オカダヤに買いに行き、6階のミシンコーナーで、欲しい駒を単品で出してもらった。
通販なら、このブログで何度も紹介している糸屋さん「ボビン」でも取り扱いがある。
たとえば「ボビン」で、ボタンホーラーとネムリ穴用の駒4ケを購入すると税込10,450円。送料を払っても、私が購入したセットより1,000円以上安かった。(2022年4月現在)
取り付け順序とコツ
1.まず、押さえ金を外す。
2. 次に、針板カバーを取り付ける。
この部品はネジが1箇所しかないため、マスキングテープなどでカバーの上下を固定すると安全だ。
3. ボタンホール機に駒を入れる。
4. ボタンホール機をミシンに取り付ける。
たったこれだけのことでも取扱説明書が簡潔すぎて、初心者にはわからないことが多く、調べながら行うのに時間がかかった。
トラブル発生! 糸切れの理由
試し縫いしようとして、上糸が何度も切れた。
このとき、試したのは……
- シーチングが硬いので針を11番から14番に変更する。
- 針板カバーが動かないようにマスキングテープで固定する。
- 油を差す。
- 糸調子を弱めたり、強めたり……。
- 速度をなるべくゆっくりにする。など。
いろいろやった末、そもそも、針の取り付け位置がズレていることに気づいて直したら解決した。(後述)
部品取り付けのコツ
まず最初に、針を正しい位置に差し込みできているか確認する。
ボタンホール機を付けた後で針を変えようとすると、「振り腕」がじゃまをして針の位置がズレやすい。
針を変えてからボタンホール機をセットする方が圧倒的にスムーズだ。
通常の縫製より、針は太めで。
ジグザグ縫いを1周するうちに針板カバーがズレることがある。わずかでもカバーがズレると針が折れる危険が生じる。カバーはテープでしっかりと固定するのが安全だ。
試し縫い
手持ちの駒を使用して縫ったのが、こんな感じだ。
1巡しただけだとスカスカなので、二重に縫っている。

ちなみに、紳士用のシャツに使われる11.5mmのボタン。薄いものなら10mmの穴でも通りそうだが、手元にある貝ボタンで試してみると、ゆとりがなく通しにくかった。13mmの駒を使う方が通しやすく、生地にも負担がかからないだろう。
こちらはJUKIの家庭用ミシン、上位機種で縫ったもの。こちらの方が1重でも細かく縫えている。


家庭用ミシンのエクシードシリーズはボタンホールがとってもきれい。実際にレンタルして試してみたから、まちがいない!
ボタンホールをきれいに縫うコツ
- まず、中心位置がずれていないか。チャコの印が窓と並行になるようにセットできているかを確認する。
- フリーハンドでも進んではいくが、斜めにずれることがないように手を添えて軌道修正するときれいに縫える。
- カーブは特にゆっくりにして糸が切れないように気をつける。
- 2巡すると縫い目が密になり、きれいだ。
縫い方のコツは、下記のページを参考にした。
感想
取説や動画を見、わからないところは調べながら試行錯誤して、ちゃんと縫えるようになるまでに時間がかかった。
一度使い方を覚えれば難しいことはないし、2〜3回練習すれば狙った位置でぴったり縫えるようになる。
利点としては、縫い方が単純なので、失敗したときにほどくのが簡単なこと。
家庭用の「押さえ」と比べ窓が大きく、縫っている部分がよく見えるので「ちょっと曲がっているな」というときに軌道修正するのも簡単だ。
ボタンホールの品質は、ハトメ穴はいまいち。ネムリ穴の方はパジャマや普段着には許せる範囲だ。
ジャケットやコート、おしゃれ着に関してはできれば専門の業者さんにお願いしたい。
コメントはこちらから(お気軽にどうぞ)
指摘だなんて、とんでもないです😃💦
私、ネット動画でボタンホーラーの取り付け方を見て、同じようにやっただけのテキトー人間です😁
ちゃんと説明書、見てないかも?
最近、カバンばかりで服を作ってないので、そろそろ服を作らないと!
ジョビーさんのブログはすごく丁寧に順序立てて書かれていて、とても参考になります。
私は文章を書く能力がないので、尊敬しております☺️💕
ジョビーさん、こんにちは。
ボタンホーラーの取り付け、お疲れ様です😃
ボタンホーラー、ジョビーさんのミシンは鉄板を取り外すのですね😮!
私はそのまま、鉄板の上に針板カバー?を取り付けて使ってます。
(もしかしたら鉄板、外さないといけないのかしら?)
取り付け、取り外し、億劫でしたが。シャツとか、前身頃と後ろ身頃を縫う前に前立てにボタンホール、襟も台襟に取り付ける前に穴、と。
ボタンホールを付けたり外したりの作業を頻繁にするようにしたら、億劫な気分がちょっと軽減されたような気が😅
左右どちらから針が動きだすのか、これが私の注意している点です。穴の場所がズレると最悪なので😅
私も、コートを縫う時は、ボタンホールは外注しようと考えています。
お値段が気になりますが😵
久しぶりに記事を読ませて頂いて、楽しかったです。
他のアップされた記事も、少しずつ読ませていただきますね🥰
FF様
ご指摘ありがとうございます。針板カバーは外さなくて正解です。
どういうわけか、私が手順の一部を勘違いしていて、まちがった方法を書いていたので記事を修正しました。
早い時期にご指摘いただいて、助かりました。本当にありがとうございます。
FFさんの方が職業ミシンもロックも早くからお使いになっているので、過去にいただいたコメントを今見ても「へ〜」と思うところがあります。
私の方こそ、勉強になっています。またお気軽にコメントいただけますと、うれしいです。